クリニックコラム

公開日 2026.02.16 更新日 2026.02.16

【バセドウ病1】徹底解説!まで完全版

バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰分泌による自己免疫疾患です。
全身の代謝が急激に高まることにより、動悸や息切れ、手の震え、多汗、倦怠感、体重減少、眼球突出などさまざまな症状が引き起こされます。

はっきりとした原因は不明で、遺伝や環境が関係しているのではないかと考えられています。
もしバセドウ病の家族歴がある場合、発症リスクが高まることは分かっていますが、まだ原因となる遺伝子は見つかっていません。
また、精神的・肉体的ストレスや喫煙、出産などの環境要因も発症リスクに影響することが分かっています。

本記事では、バセドウ病の検査や診断に関する基礎知識と、理解に役立つポイントを解説します。

バセドウ病の基礎知識

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の代謝が高まる臓器特異的自己免疫疾患です。
動悸や息切れ、手の震え、多汗、倦怠感、体重減少、眼球突出、皮膚症状など全身にさまざまな症状を引き起こす病気で、発症には遺伝やストレスなどの環境要因が関わるとされています。

バセドウ病は、治療により改善しやすい病気のため、早期の発見と治療が大切になります。
ここでは、バセドウ病について詳しく解説していきます。

バセドウ病とは何か

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで新陳代謝が必要以上に亢進し、動悸・発汗・体重減少などの症状が現れる病気です。
特に20〜40代の女性に多い傾向にありますが、年齢や性別に関係なく誰でも発症する可能性があります。

放置すると心臓や骨などにも影響が出て重篤な事態になりかねません。
早期の発見と治療が重要となります。
そのため、病気をきちんと理解することが大切です。

自己免疫疾患としてのメカニズム

バセドウ病は、免疫システムの異常によって甲状腺ホルモンが過剰に合成・分泌される自己免疫疾患です。
本来、免疫とは外敵から体を守る役割を担いますが、バセドウ病に罹患している場合、誤って甲状腺を攻撃対象として認識してしまいます。

その結果、甲状腺刺激抗体と呼ばれる自己抗体が作られ、甲状腺を持続的に刺激するためホルモンの合成・分泌が過剰になります。
なぜ免疫が誤作動を起こすのかは解明されていない部分が多いですが、遺伝的要因と、ストレスや生活習慣などの環境要因が重なって発症すると考えられています。

これらの仕組みを理解することが、バセドウ病への正しい対処につながります。

遺伝的要因とその影響

バセドウ病は、体質や遺伝といった発症リスクが関連することが知られています。
そのため家族が過去に罹患していたり、現在治療中の場合、免疫機能に関わる遺伝子の影響で発症しやすくなる可能性があります。

ただし、遺伝のみが原因で発症するというわけではなく、ストレスや生活習慣などの環境要因が重なることで病気が顕在化すると考えられています。
そのため、家族歴がある方ほど体調の変化に注意することが重要ですが、予防や生活習慣の管理によりリスクを低下させることが可能です。

環境要因が及ぼす影響

バセドウ病の発症や症状の悪化は、生活習慣にも深く関係していると言われています。
特にストレスや喫煙習慣は免疫バランスを乱し、甲状腺への過剰な刺激を引き起こす原因となります。
また、昆布やわかめなどヨウ素を多く含む食品の摂り過ぎも甲状腺機能に影響を及ぼします。

これらの要因は日々の生活の中で積み重なるため、体調の小さな変化を見逃さないことが大切です。
生活習慣を整えることが、バセドウ病の発症予防や再発防止につながります。

ホルモンや性別の影響

バセドウ病は女性に多く見られる疾患で、性ホルモンが影響していると考えられています。
特に女性ホルモンは免疫の働きに影響しやすいため、自己免疫疾患の発症と関連するとみられています。
そのため、妊娠や出産、更年期などのホルモン変動がきっかけで症状が現れるケースもあります。

一方で男性でも発症する可能性はあり、性別に関わらず注意が必要です。
ホルモンと免疫の関係を理解することが、バセドウ病の発症リスクを考える手がかりになると言えるでしょう。

バセドウ病の検査と診断

バセドウ病の症状は多様で他の疾患と似ている場合も多いため、診断には問診・血液検査・画像検査などを組み合わせた総合的な評価が欠かせません。
正確な診断は治療選択に直結するため、甲状腺ホルモンや抗体の測定、眼症の有無など多角的な確認が重要です。

以下では各検査の流れとポイントを詳しく紹介します。

診断の流れと重要ポイント

バセドウ病の診断は、問診や診察に加え、血液検査で甲状腺ホルモンの値を確認します。
問診で動悸や息切れ、手の震え、多汗、倦怠感、体重減少などを確認しつつ、診察で甲状腺の腫れや眼球の突出・眼瞼の発赤や腫れ、頻脈、皮膚の湿潤、下腿腫脹といった身体的特徴をチェックします。

その後、血液検査でTSH・FT3・FT4などのホルモン値を測定し、必要に応じて超音波検査や心電図の結果も踏まえるなど、複数の情報を総合的に判断して、診断を確定します。

問診と身体検査での確認事項

診断の最初のステップとなる問診では、動悸・体重減少・手の震えなどの自覚症状の聞き取りを行います。
続く身体検査において、甲状腺の腫れや脈拍の速さ、皮膚の湿り気、手の震えなど細かな身体的所見を確認します。
特にバセドウ病に特徴的な眼球突出の有無は診断の際、重要なチェックポイントとなります。

こうした基本的な情報が、後に続く検査結果と併せて最終的な診断につながり、病気の早期発見に重要となります。

血液検査で確認できること

血液検査では、バセドウ病の診断だけでなく、治療の進行状況や効果を総合的に把握できます。

具体的には、甲状腺ホルモンであるFT3・FT4の上昇や、TSHの低下といった特徴的な変化を確認します。
数値とした状態を明示できるため、自身の健康状態に不安を抱える患者に客観的な指標を与えることが可能となります。

血液検査は、他の甲状腺疾患との区別や治療方針の決定に欠かせない重要な検査です。

自己抗体検査の重要性

自己抗体検査は、バセドウ病の診断や治療方針の決定において欠かせない検査です。
具体的には、TSH受容体抗体(TRAb)や甲状腺刺激抗体(TSAb)が調べられます。
これらの抗体が高い値で検出されると、バセドウ病と診断され、その病勢が強いと考えられます。

また、この抗体の値は投薬中止の判断や、経過観察中の再発リスク評価にも利用されます。
自己抗体検査はバセドウ病の診断と治療・管理の両面で非常に重要な役割を果たしていると言えます。

画像検査と心電図の役割

バセドウ病において甲状腺の形態を調べる画像検査には、超音波検査が用いられます。
CTやMRI検査よりも、超音波検査のほうが甲状腺の大きさや内部構造、しこりの有無を確認する能力が高いためです。
特に診断が難しい場合には「甲状腺シンチグラフィ」といって、人体に害がない程度の微量の放射性ヨウ素を服用し、甲状腺への集まり具合をカメラで確認することがあります。
また、心電図検査では頻脈や不整脈の有無を評価し、心臓への負担を把握するために行われます。これらの検査を組み合わせることで、診断の精度が高まり、治療計画の精緻化につながります。

バセドウ病眼症の評価

バセドウ病眼症の診断は、最初にまぶたの腫れ・眼球突出・複視・視力低下などの症状の有無を確認します。

その際、必要に応じてCTやMRIを用いて眼の奥の炎症や視神経への影響を調べる場合もあります。

バセドウ病眼症は、これらの検査を通して早期に診断することで、症状悪化の防止につなげます。

他の疾患との鑑別診断

バセドウ病と似た症状を示す疾患には、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺ホルモン産生性腫瘍、下垂体異常などがあります。
バセドウ病とその他の病気と区別するために、血液中のホルモン値や自己抗体の測定、超音波などの画像検査が不可欠です。

加えて心電図や「甲状腺シンチグラフィ」なども補助的に用いて、総合的に判断することで誤診を防ぎます。
適切な治療につなげるためにも、多面的診断は重要となります。

日常生活とバセドウ病

バセドウ病は、規則正しい日常生活を送ることが症状の安定につながると言われています。
ストレスや睡眠不足、喫煙や食生活の乱れは症状悪化につながります。
規則正しい生活を心がけましょう。

ここでは、日常生活を送る上で気をつけるべきポイントを紹介します。

生活習慣の見直し

生活習慣を整えることは、治療の効果を高め症状を安定させるための重要なポイントです。
十分な睡眠を確保し、疲れを感じたら無理をせず休む習慣をつけましょう。
食事の際は栄養バランスを意識し、海藻類(特に昆布)はヨウ素含有量の多い食品であるため控えめにすることが推奨されます。

ストレスは症状悪化につながる可能性があります。
リラックスできる時間を意識的につくることも大切です。
適度な運動を取り入れることも体力維持に役立ちますが、体調に合わせて無理なく続けるようにしましょう。

妊娠時の注意点

バセドウ病を抱えながら挙児希望する場合、母体と胎児の安全のために専門医との連携が欠かせません。
妊娠初期はホルモンバランスが変動しやすく、薬の量や種類を慎重に調整する必要があります。
自己判断で服薬を中断したり量を変更したりすることは危険です。

また、妊娠中は定期的な血液検査や超音波検査で胎児の状態を確認することが重要です。
出産後もホルモン値が大きく変動するため、継続した経過観察が求められます。

まとめ:バセドウ病の基礎知識や検査・診断の全体像を把握しよう

バセドウ病は、自己免疫の異常によって甲状腺が過剰に働き、全身の代謝が過度に高まり、多様な症状が現れる病気です。
診断には問診・血液検査・画像検査などを組み合わせた総合的な評価が行われ、これらの診断結果がその後の治療方法の選択につながります。

加えて規則正しい生活習慣を維持することやストレスの管理も症状安定に欠かせません。
バセドウ病に罹患した場合、病気の特徴と全体像をよく理解し、主治医と相談しながら継続的に適切な治療を行うことが大切です。

この記事の監修者

荘野 輝美

荘野 輝美

医師

プロフィール

患者さん一人ひとりの不安に寄り添い、わかりやすい説明と丁寧な診療を心がけています。 甲状腺の病気は、長く付き合っていく必要がある場合も少なくありません。 安心してご相談いただける、身近な専門クリニックを目指し、日々診療に取り組んでまいります。

経歴

平成27年 関西医科大学 卒業

平成27年~平成29年 大阪医科大学附属病院にて臨床研修

平成29年~ 大阪医科大学(※1)第一内科学教室入局

平成30年~令和2年 市立ひらかた病院 勤務

令和2年~令和6年 大阪医科大学附属病院(※2)勤務

令和6年4月 ひらいわクリニック 勤務

現在に至る

(※1)現 大阪医科薬科大学 (※2)現 大阪医科薬科大学病院

所属学会・認定医

内科認定医

臨床研修指導医

日本糖尿病学会専門医

日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医

認定産業医

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