日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・評議員
日本甲状腺学会認定専門医・評議員
医学博士
クリニックコラム

チラーヂンSは甲状腺機能低下症の治療に使用される薬で、甲状腺ホルモンの不足を補い、体調の回復につながります。
しかし、服用に際して、併用に注意が必要な薬やサプリメントなどがあります。
また、まれに代謝が過剰に活性化することで体重が減少することがあるため、服用量の調整が重要です。
本記事では、チラーヂンSの特徴や服用時の注意点、まれな副作用、体重減少に関する誤解を解説し、安全に服用を続けるためのポイントを紹介します。
チラーヂンSは、甲状腺機能低下症の治療に用いられる医薬品で、不足している甲状腺ホルモンを補充する役割があります。
甲状腺ホルモンは全身の代謝や体温調節、各臓器の働きに関与しており、不足すると顔や手足のむくみ、声のかすれ、寒がり、体重増加、脱毛、便秘、疲れやすさなどの症状が現れます。
チラーヂンSを正しく服用することで症状を改善できますが、用量や服用方法を誤るとスムーズな回復に支障が生じることもあります。
ここでは、チラーヂンSの基本的な特徴や、服用時に注意すべきポイントについて詳しく解説します。
チラーヂンSの有効成分である合成レボチロキシンは、体内で不足している甲状腺ホルモンを補い、代謝を正常化します。
治療は長期にわたることが多く、医師の指示に従って継続的に服用することが重要です。
自己判断で服用量を変更すると、効果が不十分になったり、副作用のリスクが高まったりします。
特に、体調が安定している場合でも独断で中断すると、症状が再発することが多いです。
安定した治療効果を得るためには、定期的な検査・診察を受けながら適切な用量を維持することが大切です。
チラーヂンSは他の薬の影響を受けることがあるため、併用薬には注意が必要です。
特にカルシウム剤や鉄剤、胃薬や便秘薬の一部はチラーヂンSの吸収を妨げることがあります。
これらを服用する場合は、チラーヂンSとの服用間隔を3~4時間空けることで影響を避けやすくなります。
また、糖尿病治療薬や心臓に作用する薬を使用している場合、ホルモンバランスの変化によって血糖値や心拍数に影響が出ることがあるため、必ず医師に相談しましょう。
市販薬やサプリメントも影響する場合があるため、服用中のものはすべて医師や薬剤師に伝えることが重要です。
チラーヂンSはできるだけ空腹時に服用することが推奨されています。
食事と一緒に服用すると吸収が低下し、十分な効果が得られないこともあります。
一方で、実際には食後に服用しても大きな支障のないことも多く、医師や薬剤師の指示に従って服用してください。
体調の変化や違和感がある場合は、早めに医師へ相談することが大切です。
特に、動悸や手の震え、体重減少、不眠などが続く場合は、副作用の可能性も考えられるため、自己判断で見過ごさず受診することが安全につながります。
チラーヂンSは甲状腺ホルモンを補う薬であるため、病状の変化によって副作用が現れることがあります。
副作用の程度や出方には個人差がありますが、早めに気づくことで重症化を防ぐことが可能です。
ここでは、注意が必要な症状、アレルギー反応まで順に解説します。
副作用には、動悸、手の震え、体重減少、発汗、不眠、下痢などがあります。
これらは代謝が過剰に活発になることで起こる症状です。
日常生活の中で心拍数が速くなる、汗をかきやすくなる、食事量が変わらないのに体重が減る、眠れない日が続くといった場合には、症状の経過を記録し、受診時に医師へ伝えると適切な判断につながります。
チラーヂンSによる重篤な副作用はまれですが、体質や年齢・持病によっては注意が必要なこともあります。
例えば、動悸が強く続く、息切れ、胸の痛み、強い倦怠感などの症状がみられる場合は、心臓に負担がかかっている可能性があります。
これらの症状は、甲状腺ホルモン剤の服用量が体調・心臓の状態に合っていない場合に起こることがあり、早めの用量調整が必要です。
チラーヂンSの服用中に、発疹やかゆみ、唇やまぶたの腫れ、息苦しさなどのアレルギー症状が現れることがごくまれにあります。
これらの症状が出た場合は、服用を中止し、すぐに医師へ連絡してください。
特に呼吸困難や全身にじんましんが広がる場合は、緊急対応が必要となることもあります。
チラーヂンSの副作用は、すべての人に同じように現れるわけではなく、年齢や持病、併用薬によって出やすさが異なります。
ここでは、チラーヂンSの副作用が出やすい人の特徴や、注意すべきポイントについて解説します。
チラーヂンSの副作用は年齢や基礎疾患によって現れやすさが異なります。
特に高齢者は甲状腺ホルモンの変化に体が順応しにくく、用量によっては動悸や息切れなどの症状が出ることもあります。
また、不整脈や狭心症・心筋梗塞、心不全などの心疾患がある場合は特に慎重な管理が必要です。
チラーヂンSは甲状腺機能低下症の治療を目的とした薬であり、体重を減らすために使用する薬ではありません。
服用によって甲状腺機能低下症の患者の体重が減少することがあっても、それは治療の副次的な変化です。
体重減少だけに注目して誤った使い方をすると、健康に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、チラーヂンSをダイエット目的で使用してはいけない理由について解説します。
チラーヂンSの本来の治療目的は、甲状腺ホルモンを適正な範囲に保つことです。
その過程で体重が減ることがありますが、これは必ずしも副作用とは限りません。
治療によって代謝の正常化や体内の水分バランスが改善した結果として体重が減る場合があります。
体重を減らしたいという理由で、自己判断でチラーヂンSの服用量を増やすことは非常に危険です。
甲状腺ホルモンが過剰になると、心臓や骨に負担がかかり、不整脈や骨粗鬆症などの長期的な健康リスクにつながることがあります。
チラーヂンSの用量調整は、血液検査の結果をもとに医師が慎重に行う必要がありますので、自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
チラーヂンSは長期間にわたって服用を続けることが多い薬であり、継続的で定期的な通院が重要です。
特に、高齢者や基礎疾患のある方では体重の変化や動悸、息切れ、倦怠感などの症状が続く場合は、早めに医師へ相談することが大切です。
定期的な血液検査で甲状腺ホルモン値を確認し、医師の指示通りに服用を続けることが健康維持につながります。
ここでは、長期服用中に意識したい検査や、安全に治療を続けるためのポイントを解説します。
長期服用中は、定期的な血液検査によって甲状腺ホルモン値を確認する必要があります。
検査結果をもとに薬の量を調整することで、副作用を防ぎながら病状の安定化が可能になります。
軽微な甲状腺ホルモンの変化は自覚症状が出にくい場合もあるため、体調が良く感じていても検査を省略しないことが大切です。
通院・検査を継続することで、過不足のない適切な服用量を維持できます。
チラーヂンSを安全に服用するためには、医師の指示を守り、自己判断で用量を変えないことが基本です。
また、他の薬やサプリメントを内服する際は必ず申告し、服用タイミングにも注意しましょう。
飲み忘れが続くとホルモン値が不安定になることがあるため、毎日服用する習慣をつけることも重要です。必ずしも同じ時間帯に服用する必要はないので、朝食後に服用を忘れた場合は、夕食後や就寝前に服用しても支障ありません。また、就寝前に服用した翌日の朝食後に内服しても体調に大きな変化は現れません。
チラーヂンSは甲状腺機能低下症に最も有用な薬ですが、高齢者や基礎疾患のある方ではまれに副作用を起こすことがあります。
過剰摂取で代謝が亢進し体重が減少することもあります。また、他の薬との飲み合わせが原因で効果が不十分になることもあります。
日常生活においては処方量を守り、定期的な検査を受けることが大切です。
副作用の兆候が現れた際には早期に医師に相談し、服薬管理を徹底しましょう。
チラーヂンSの服用を安全に続けるためには、自己判断せず、定期的に通院し専門家の指示に従うことが最も重要です。
この記事の監修者
プロフィール
甲状腺はとても小さな臓器でありながら、全身の臓器に影響をおよぼすホルモンを合成しています。そして、自己免疫疾患によりそのホルモンの異常をきたし、良性・悪性の腫瘤性病変も発生します。また、治療も薬物療法、放射線治療、手術と多彩で、内科医がその選択に大きく関わります。そうしたところに興味を覚え、専門とし研鑽を積んできました。今後は弊院スタッフとともに皆さまの健康に資するべく、高いレベルの内分泌代謝疾患診療を継続的に提供し、医療現場でのホスピタリティを培って社会に貢献してまいります。
経歴
平成8年 大阪医科大学(※1)卒業
平成8年~平成11年 名古屋大学附属病院、名古屋記念病院勤務
平成11年~ 大阪医科大学附属病院(※2)第一内科学教室入局
平成12年~平成14年 神甲会隈病院勤務
平成16年~平成24年 大阪医科大学附属病院(※2)第一内科 任期付助手→助教
平成24年5月 ひらいわクリニックを大阪府茨木市大手町に新規開院
令和6年8月 茨木市西中条町に移転拡張リニューアル
現在に至る
(※1)現 大阪医科薬科大学 (※2)現 大阪医科薬科大学病院
所属学会・認定医
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